
院長:田口お気軽にご相談ください!
こんにちは、たぐち整骨院の田口です。赤ちゃんの頭の形について、検診や周りの方から指摘されて不安を感じていませんか。特に「重症かもしれない」と感じると、親御さんとしては心配で夜も眠れないという方もいらっしゃるでしょう。私自身も3人の子供の父親として、次男が吸引分娩で生まれた際に強い向き癖があり、当時は赤ちゃんについての知識が不足していたため対応が遅れ、斜頭を完全に治すことができなかった経験があります。
今回は赤ちゃんの頭の形が重症レベルにあたるのかどうか、その判断基準や具体的な対処法についてお話ししていきます。私自身の経験と反省も踏まえて、親御さんが早めに適切な判断ができるようにお伝えしたいと思います。


我が子の経験があるからこそ、一人でも多くの赤ちゃんをサポートしたいと思っています


赤ちゃんの頭の形のゆがみには、実は医学的な重症度の分類があることをご存知でしょうか。単に「ゆがんでいる」という感覚的な判断ではなく、専門的な測定方法によって客観的に評価される仕組みになっています。重症度を判断する際には、目で見た視覚的な評価と、測定器具を使った数値による評価の両方が用いられます。
視覚的な評価では、赤ちゃんの頭を前後左右から観察して、どの程度平らになっているか、耳の位置が左右でずれているか、顔の非対称があるかなどを確認します。一方で数値による評価では、頭部用のノギスや3Dスキャナーを使って、頭の対角線の長さの差や頭の幅と長さの比率を測定します。これらを総合的に判断することで、軽症から最重症までの5段階に分類されるのです。
斜頭症の重症度を測る際には、CAやCVAIという指標が使われます。CAは「Cranial Asymmetry」の略で、頭の対角線の長さの差をミリメートルで表したものです。具体的には、頭の中心線から30度傾けた対角線を2本引いて、その長さの差を計測します。CVAIはこの差を比率で表した数値になります。
一般的な基準としては、CAが6ミリ未満であれば正常範囲、6~9ミリが軽症、9~13ミリが中等症、13~17ミリが重症、17ミリ以上が最重症とされています。ただし医療機関によって若干の違いがあり、12ミリ以上で重度と判断されることもあります。数値だけでなく見た目の状態も含めて総合的に判断されるため、数値上は軽症でも視覚的に重度と診断されるケースもあるのです。
いわゆる絶壁と呼ばれる短頭症の場合は、CIという指標が用いられます。CIは「Cephalic Index」の略で、頭の横幅を前後の長さで割って100をかけた数値です。日本人の標準的な頭の形では、この数値が80~94の範囲に収まります。
短頭症の重症度は、後頭部の平らな部分がどこまで広がっているかによっても分類されます。タイプ1では後頭部中心部のみが平らになっている状態、タイプ2では平らな部分が左右方向に拡大、タイプ3ではさらに頭頂方向にも拡大している状態です。後頭部が垂直に近い形になっていたり、左右方向に頭が広がって見えたりする場合は、より重症度が高いと判断されます。
重症レベルの頭の形をそのままにしておくと、見た目だけでなく機能的な問題が生じる可能性があります。まず容姿的な面では、頭の左右非対称が顔面の非対称につながることがあります。目や耳の位置が左右でずれたり、頬骨の出っ張り方に違いが出たりするのです。
帽子やメガネをかけたときに位置が安定しないという実用的な問題も生じます。また歯並びや噛み合わせに影響が出るケースも報告されています。重症度が高いほど、こうした影響が出る可能性は高まります。私の次男も斜頭が残ってしまい、今でもその影響が気になることがあります。だからこそ親御さんには早めの対応をお勧めしたいのです。
早い段階で適切な対処をすれば、これらのリスクを減らすことができます。生後6ヶ月までは頭蓋骨がまだ柔らかく、矯正の効果が出やすい時期です。逆に月齢が進むにつれて骨が硬くなり、自然な改善や矯正による改善が難しくなっていきます。だからこそ重症度の判断を早めに行い、必要な対策を講じることが大切なのです。
実際に医療機関で重症度判定を受ける際の流れについてもお伝えしておきましょう。まず専門外来を受診すると、医師が赤ちゃんの頭を目で観察して視覚的な評価を行います。頭を前後左右上から見て、ゆがみの程度や顔面の非対称の有無を確認します。
次に測定器具を使った計測が行われます。従来は頭部用のノギスで対角線を測定する方法が一般的でしたが、最近では3Dスキャナーを導入している医療機関も増えています。3Dスキャナーなら数秒で正確に頭の形状を立体的に把握でき、0.1ミリ単位での精密な測定が可能です。
これらの結果に加えて、赤ちゃんの月齢や大泉門の閉じ具合、骨の硬さなども考慮して総合的に判断されます。重症度の判定には医学的な知識と経験が必要なため、家庭での自己判断は難しく、専門家に相談することが重要です。
重症度が高いと判断された場合、医療機関ではヘルメット治療を勧められることがあります。ヘルメット治療は頭の形を物理的に矯正する方法として確立されており、適切な時期に適切に行えば効果が期待できる治療法です。当院では決してヘルメット治療を否定するものではなく、赤ちゃんにとって最善の方法を探すという姿勢を大切にしています。
実際に当院には、ヘルメット治療を受けている赤ちゃんも来院されています。なぜならヘルメット治療は頭の形状を整えることはできても、向き癖やそり返りといった身体の緊張までは取り除くことができないからです。ヘルメットで頭の形を整えながら、整体で身体全体のバランスを整えていくという併用は、赤ちゃんにとって非常に有効なアプローチだと考えています。
もちろんヘルメット治療以外の方法を探している方も大歓迎です。親御さんそれぞれに考え方や状況があり、どの選択が正しいということはありません。大切なのは赤ちゃんにとって何が最善かを一緒に考え、サポートしていくことだと思っています。
当院では赤ちゃんの頭の形に関するご相談も多くお受けしています。私自身が次男の斜頭を完全に治せなかった経験があるからこそ、少しでも多くの赤ちゃんの健やかな成長をサポートしたいという思いで取り組んでいます。
具体的には向き癖の改善を目的とした優しい施術や、首の動きをスムーズにするための調整などを行います。向き癖には必ず理由があり、首や肩の筋肉の緊張、背骨の動きの制限などが関係しています。これらを丁寧に確認しながら、赤ちゃんの体に負担をかけない方法で緊張を緩めていくのが当院のアプローチです。
またそり返りが強い赤ちゃんの場合は、全身の緊張パターンを見ながら施術を行います。赤ちゃんの体は非常にデリケートですから、強い力は一切加えず、ソフトなタッチで筋肉の緊張を緩めることを心がけています。親御さんに対して、日常生活での抱き方や寝かせ方のアドバイスもさせていただきます。
重症度が軽度から中等度の段階であれば、家庭でのケアによって改善が期待できることもあります。最も基本的なのは向き癖の反対側を向かせる工夫です。授乳の際に左右交互に抱く、寝かせるときに頭の向きを変える、おもちゃやモビールを向かせたい方向に置くなど、日常生活の中でできることはたくさんあります。
タオルやクッションを使って頭の位置を調整する方法もありますが、窒息のリスクがあるため必ず親御さんの目が届く範囲で行ってください。うつぶせ遊びの時間を増やすことも、後頭部への圧迫を減らす効果があります。ただし必ず目を離さず、赤ちゃんが疲れたらすぐに休ませるようにしましょう。
これらの工夫は予防としても有効ですが、すでに重症レベルに達している場合は家庭でのケアだけでは十分な改善が難しいこともあります。その場合は専門家のアドバイスを受けながら、適切な方法を選択していくことが重要です。
では実際にどのタイミングで専門外来を受診すべきなのでしょうか。明らかな左右非対称が見られる場合、耳の位置が左右でずれている場合、顔の形に歪みが出ている場合などは、できるだけ早めの受診をお勧めします。
また生後2~3ヶ月の時点で頭のゆがみに気づいたら、様子を見すぎずに一度相談してみることが大切です。私も次男のときに「もう少し様子を見ましょう」という言葉を信じすぎて、対応が遅れてしまいました。その経験から言えるのは、親御さんが「これは普通じゃないかもしれない」と感じたら、その直感を大切にしてほしいということです。
受診先としては形成外科、脳神経外科、小児科の頭のかたち外来などがあります。専門家に診てもらって「問題ありません」と言われれば安心できますし、もし治療が必要であれば早期に対応できます。判断に迷ったときは、一人で抱え込まずに相談することが何より重要です。
赤ちゃんの頭の形の重症度について、判断基準から将来への影響、対処法までお伝えしてきました。重症レベルかどうかは専門的な測定と評価によって判断されるものであり、家庭での自己判断は難しいものです。しかし親御さんの「気になる」という感覚は決して間違っていません。
当院では私自身の経験と反省を踏まえて、赤ちゃん整体で少しでも多くの赤ちゃんの健やかな成長をサポートしたいと考えています。ヘルメット治療を受けている方も、それ以外の方法を探している方も、どちらも大歓迎です。
赤ちゃんにとっての最善を一緒に考えながら、向き癖やそり返りといった身体の緊張を取り除くお手伝いをさせていただきます。頭の形のお悩みや向き癖について、どうぞお気軽にご相談ください。一人で悩まず、まずは私たちに話を聞かせていただければと思います。

