
院長:田口お気軽にご相談ください!
耳鼻科で突発性難聴と診断され、これまでジョギングや筋トレを習慣にしていた方ほど、運動を続けてよいのか迷う場面が出てきます。医師から安静にと言われても、どこまで体を動かしてよいのか具体的な線引きが分からず、不安な気持ちを抱えたまま過ごしている方も少なくありません。
たぐち整骨院・草加本院の田口です。この記事では、突発性難聴の治療中に避けたい運動、体を動かす際の目安、相談を考えたいタイミングについてお話しします。
先に全体像を確認したい方は、突発性難聴の症状ページもあわせてご覧ください。ここでは運動に関わる部分から順にお伝えしていきます。




発症初期は特に興奮を避け歩くところから始めましょう
いつも通りに走っていたら、耳鳴りや聞こえの詰まった感じがふだんより強くなったという声をよく聞きます。走り始めた直後は気づかず、後半になって違和感がはっきりしてくるという方もいます。
これは運動によって血圧や体温が変化し、内耳への血流バランスが一時的に崩れているために起こると考えられています。走っている最中に症状の変化を感じたら、無理に続けず一度足を止め、体の反応を確かめてみてください。ふだんは気にならないペースでも、治療中の体は血流の変化に敏感になっていることがあります。
ジムでの筋力トレーニングを日課にしていた方ほど、治療中も同じペースで続けたくなる気持ちがあると思います。数々のご相談の中でも多いのが、この筋トレの扱いについてです。
息を止めて力を入れるような無酸素運動は、血圧が急激に上昇しやすく、内耳への負担が大きいとされています。特に上半身を強く鍛えるメニューやウェイトを持ち上げる動作は、治療期間中はいったん控えたほうがよい運動だといえるでしょう。
下半身を中心にした軽めのメニューであれば、負担が比較的少ないという見方もありますが、症状の状態によって判断が変わるため、担当医と相談しながら進めるのが安心です。トレーニングの量を減らすだけでなく、回数や頻度を落とすという調整の仕方もあります。
安静にと言われても、体を動かさないことがかえって良くないのではと考える方も少なくありません。運動を我慢する期間が続くほど、この迷いは大きくなっていきます。
実は、安静とは体を一切動かさないという意味ではなく、内耳に負担をかけやすい運動を避けるという意味に近いものです。軽いウォーキングのような有酸素運動はむしろ血流を保つ助けになるとされています。動かないことへの不安と、無理に動くことへの不安の両方を抱えている方が多いように感じます。
大切なのは、動く量そのものではなく、体にどれくらいの負荷がかかっているかという視点だと思います。特に発症してすぐの時期は、体を興奮させるような強い運動は避け、まずは歩くところから始めるのが無難です。
激しい運動がなぜ内耳の負担になるのか、まずは体の仕組みから確認しておきたいところです。
内耳の細胞は非常に細い血管から酸素を受け取って働いています。運動によって血圧が大きく変動すると、この細い血管の流れが乱れやすくなり、酸素の供給が不安定になることがあります。もともと血流の巡りが弱い部位だからこそ、変化の影響を受けやすいといえるでしょう。
息を止めて力を入れる無酸素運動は血圧が急に上がりやすく、内耳への負担が大きいとされています。一方でウォーキングのような有酸素運動は、全身の血流を穏やかに保ちやすい運動だといえます。
球技やインターバル形式のトレーニングのように息が上がる強度の運動も、無酸素運動に近い負担がかかることがあります。運動の種類だけでなく、息の上がり方そのものも一つの目安になるでしょう。呼吸が乱れるくらいの強度は、いったん避けておいたほうが安心です。
運動の種類によっては、内耳への血流以外の理由からも控えておきたいものがあります。
片耳の聞こえが低下すると、空間の位置感覚がつかみにくくなることがあります。水中でこの感覚が乱れると平衡感覚を失いやすくなるため、水泳やダイビングは治療期間中は控えたほうがよい運動として挙げられます。趣味として楽しんでいた方には残念かもしれませんが、症状が落ち着くまでの期間限定と考えるとよいでしょう。
治療が一段落したあと、いつから元の運動に戻れるのかも気になるところだと思います。
ステロイド治療を受けている期間は運動を控え、治療がひと通り終わってから軽いウォーキングなど負担の少ない運動を試していくという流れが一般的とされることがあります。運動中や運動後に耳鳴りや聞こえの変化を感じた場合は、その運動をいったん控えるようにしましょう。
体が慣れてきたら少しずつ強度を戻していく形で、自分にとって無理のない範囲を探っていくとよいでしょう。焦って元のペースに戻そうとせず、段階を踏むことが結果的に近道になることもあります。
運動を我慢する期間は、気分転換の手段が減ってしまい、ストレスがたまりやすくなるものです。
この期間にできることを、いくつか具体的な手順として確認しておきましょう。無理のない範囲で取り入れることが前提になります。
いずれも体に強い負荷をかけずに、生活の中で血流や自律神経のバランスを保つための工夫です。個人的には、ウォーキングの際に耳栓を使い外の音を和らげてみるのも一つの方法だと思っています。耳の周りの筋肉がゆるみ、鼓膜の緊張が和らぎやすくなるという見方もあります。無理に全部を取り入れようとせず、続けやすいものから一つずつ試してみるのがよいでしょう。
治療院の立場からお伝えできることの一つに、姿勢や首まわりの緊張という視点があります。
デスクワークが多く肩や首の緊張が強い方は、それだけで血流が滞りやすい状態になっていることがあります。耳の症状と同時に肩こりや首の張りを訴える方も多く、姿勢の癖が体の巡りに影響しているのではと感じる場面がしばしばあります。
運動を控えている間は姿勢のこわばりが積み重なりやすい点にも注意しておきたいところです。ステロイド治療そのものに代わるものではありませんが、体の使い方や座り方を見直す視点として役立つことがあります。長時間同じ姿勢を続けている方は、こまめに肩を回すだけでも変化を感じやすいものです。
ここまでお伝えしてきた内容を、簡単な形で確認しておきたいことがいくつかあります。
まず、突発性難聴の治療中は無酸素運動や息が上がる激しい運動をいったん控え、軽い有酸素運動を中心にしながら体を動かすことが基本になります。発症したばかりの時期は交感神経が過度に高ぶりやすく、体を興奮させる運動は症状の落ち着きを妨げることがあるため、特に控えておきたいところです。運動中や運動後に耳鳴りやめまい、聞こえの変化を感じたときは、その場で運動を中止し、状態が続く場合は医療機関へ相談したほうがよい状態だと考えてください。
今日からできることとして、まずは運動の強度を一段階落としてみて、耳鳴りや聞こえの変化がないか自分の体で確かめてみてください。運動を再開する目安や、日常生活での姿勢の使い方まで気になる方は、治療の経過を見ながら少しずつ整えていくとよいでしょう。
運動再開のタイミングや姿勢の使い方も含めて確認したい方は、たぐち整骨院・草加本院へお気軽にご相談ください。

